村人が決めること
- 何を目的にするか
- どこへ移動するか
- 戦うか、待つか、撤退するか
- 仲間へ何を話すか
- 何を覚え、どう反省するか
COMPETITION ENTRY
このプロジェクトは、2026年8月のコンペ提出作品として始めました。 最初から完成した研究テーマがあったわけではなく、実際にシミュレーションを走らせ、失敗ログを読み、 Codexを開発パートナーとしてコード・分析・資料化を繰り返しながら、約2週間で提出できる形まで育てました。
コンペ版では「失敗した世代の経験を、次世代が自然言語で受け継いだら何が変わるのか」を中心に、 食料採取だけのMVPから、感情日記、客観的失敗報告、ダンジョン、戦闘、素材納品、個人地図、2Dリプレイまで実装しました。
REPLAY
座標、目的、会話、HP、食料、戦闘、死亡まで全stepを保存し、 2Dマップとして再構成しています。
Open replay video ↗QUESTION
最初に作ったのは、村人が食料を集め、夜までに帰るだけの小さな生存シミュレーションでした。 しかし、それだけでは「記憶を継承する意味」が分かりにくい。
そこで課題を、ダンジョン探索、武器取得、魔物討伐、素材回収、村への納品まで含む 複数日の長期タスクへ拡張しました。村人たちは毎日を生き延びながら、5日以内にこの工程を完了しなければなりません。
SYSTEM
「成功した」とLLMが言っただけでは成功扱いにしません。実際に何が起きたかはPythonの客観ログで検証します。
INHERITANCE
日記は村人自身が書く主観的な記録です。一方で、死因、食料不足、武器取得、素材納品などはPythonが客観的な失敗報告書として残します。 次世代は両方を読み、自分の性格に合わせた戦略を作ってから生活を始めます。
TWO-WEEK BUILD LOG
4人の村人が採取し、夜までに帰るMVPから開始。小型モデルではJSON切断や振り子移動が多発しました。
採取→帰還→納品、夜間待機、目的維持が安定。ここで初めて、長期記憶そのものを観察できる土台ができました。
素材任務を「誰かが担当する」と互いに解釈し、全員が食料へ戻る責任分散を観測。理解と実行が別問題だと分かりました。
ダンジョン経路、武器庫在庫、目的と行動の候補、再開機能を整備。情報を増やすだけでなく、現在必要な情報を短く正確に見せる方向へ変えました。
強い槍を取得し、魔物を倒し、素材を回収して村へ納品。開発史として初めて5日周期の課題を突破しました。
新規G1は素材を持ちながら全滅。次のG2はその未完了工程を継承し、Day 3に素材を納品、Day 5判定まで成功しました。
KEY RESULTS

CLEAN START / G1 → G2
G1は武器取得、魔物討伐、素材回収まで進みながら、夜間帰還に失敗して全滅しました。 客観的失敗報告には「素材を村へ持ち帰って納品する」が未完了工程として残ります。
G2はその記録を継承し、武器取得と討伐を前倒し。Day 3に素材を納品し、Day 5の最終判定まで到達しました。
INTERESTING FAILURES
全員が素材任務の必要性を語るのに、「他の誰かがやる」と判断して担当者が消える。
生存はできても、確実に報酬が得られる食料へ局所最適化し、長期任務が進まない。
HPや状況が変わらないまま、戦闘開始と即時撤退を何度も繰り返す個体が現れた。
素材まで取れても、長い帰路と夜の危険を同時に扱えず、村へ戻る直前で死ぬ。
WHAT I CAN'T CLAIM YET
G1〜G18の途中では、地図、プロンプト、ダンジョン、行動Schema、記憶圧縮などシステム自体も改善しています。 そのため、18世代目の成功を日記継承だけの効果とは解釈できません。
最新システムを固定したG1→G2では、未完了工程と整合する改善が観測されましたが、まだ1 seedです。 次に必要なのは、同じ世代境界から「客観報告だけ」と「客観報告+感情日記」を分岐し、複数seedで比較することです。
AFTER THE COMPETITION
コンペ版で「動く基盤」と「面白い失敗」は作れました。一方、日記継承の因果効果はまだ未確定です。 次は日記ON/OFFの因果比較、地図そのものの世代継承、誤った記憶の伝播、複数集団で異なる文化が育つ条件を試します。
最終的には、世界の規則と住民の性格を与え、その歴史を観察する「物語生成のための社会シミュレーション」へ広げたいと考えています。